安全な航行のキーポイント。インフレータブルボートの「空気圧」について解説
インフレータブルボートを安全に快適に使う上で、とても大切な要素の一つが「空気圧」です。
インフレータブルボートはその特性上、空気を入れて膨らませるだけと思われがちですが、適切な空気圧にすることでボートの性能を最大限に引き出し、トラブルを未然に防ぐことができます。
今回は、インフレータブルボートの空気圧の重要性と適正な空気圧についてご紹介します。
なぜ大切?インフレータブルボートの「空気圧」の重要性
インフレータブルボートにとって、空気圧はボートの「命」ともいえるほど重要です。
適切な空気圧にすることで、以下のようなメリットがあります。
安定性が向上する
空気がしっかり入っているボートは全体がしっかりと張り、水面での安定感がまるで違います。
一方、空気が足りないと、ボートがフニャフニャして不安定になり、転覆の危険が高まります。
走行性能が高まる
ボートが適正な硬さを持つことで、水の抵抗を受けにくくなり、スムーズに進むことができます。
特にエンジン付きのボートの場合、スピードや燃費の向上にもつながります。
耐久性が保たれる
空気が少なすぎるとボートが屈曲し、摩耗や損傷の原因になることがあります。
※だからといって空気の入れすぎもよくありません。過度な空気圧は接着部分に負担をかけたり、最悪の場合は破裂につながります。
適正な空気圧ってどれくらい?目安と確認方法
では、いったいどのくらい空気を入れればいいのでしょうか?
インフレータブルボートの適正な空気圧は、製品によって異なるため、初めて空気を入れる際は必ずボートの取扱説明書を確認しましょう。
ここでは、一般的な空気圧の目安と確認方法を解説します。
ボートは重量物を乗せて動く物体です。そのため、基本的には剛性が高い「硬いボート=高性能」と考えられています。 しかし、硬くしようと圧力を上げすぎると破裂の危険性が増すため、空気の入れすぎには注意が必要です。 ボートを選ぶ際は、「破裂のリスクを避けつつ、できるだけ高圧を維持できる適切な設計になっているか」を重視しましょう。 |
適正空気圧の目安
多くのインフレータブルボートは、Pa(パスカル)やbar(バール)、PSI(ポンド/平方インチ)、といった単位で表記されます。
- Pa(パスカル):国際的に使用されていて、天気予報などでも耳にすることが多い単位です。メインチューブ(船体部分)で20~25キロパスカル、エアフロアで40~60キロパスカル程度が目安です。
- bar(バール):パスカルと同様の単位として扱われます。(1ヘクトパスカル=1ミリバール)
- PSI(ピーエスアイ):主にアメリカで使用されます。一般的に、メインチューブで 2.5~3.5 PSI 程度、エアフロアで 7~10 PSI 程度が目安になります。
※これらの数値はあくまで一般的な目安です。必ずお持ちのボートの取扱説明書を確認してください。
空気圧の確認方法・専用計器でチェックしよう
空気圧を確認するためには、専用の空気圧計(圧力計)を使用します。
ただし、多くの手動ポンプや電動ポンプには空気圧計が内蔵されていないため、別途購入する必要があります。
安全の為にも、ボートは専用景気を用い、適正な圧力で使用してください。
- ポンプで空気を入れる際:空気圧計を使用し、適正な空気圧になるまで空気を入れます。
- 出航前:念のため、出航前にも空気圧計で確認することをおすすめします。特に、気温が変化すると空気圧は変動します。
空気圧に関する3つの注意点
インフレータブルボートの空気圧を正しく保持する上で、いくつか注意しておきたい点があります。
バルブからの空気漏れがないか確認
空気を注入するバルブがしっかり閉まっているか、破損していないかなども確認しましょう。
わずかな空気漏れでも、時間が経つと空気圧が大きく下がってしまうことがあります。
パンクに備えて修理キットを常備
万が一、パンクしてしまった場合に備えて、修理キットを常にボートに積んでおくことをおすすめします。
応急処置ができるだけでも、大きなトラブルを避けることにつながります。
気温の変化に注意!
空気は温度によって膨張したり収縮したりします。
例えば、朝晩の涼しい時間に空気を入れ、日中の暑い日差しの中で使用すると、内部の空気が膨張して空気圧が上がりすぎてしまいます。
対して、暑い場所で空気を入れてから冷たい水に入れると、空気圧は低下します。
気温の変化が大きい日はこまめに空気圧をチェックし、空気が抜けている場合はすみやかに再充気してください。
ジョイクラフトのボートはリリースバルブ不使用です近年、空気の膨張による破裂を防ぐために、一定の圧力に達すると自動的に空気を排出する「リリースバルブ」を搭載しているボートが増えています。 しかし、リリースバルブは一見すると安全に思えますが、空気が抜けた後に気温が下がるとボートがふにゃふにゃと柔らかくなり、本来の性能を発揮できなくなります。 特に日本の真夏は昼と朝・晩の気温差が激しいため、リリースバルブが搭載されていると、かえって危険性が高まる可能性があります。 ジョイクラフトでは、ボートは気温差による空気の膨張程度では影響を受けない強度で設計すべきだと考えています。 そのため、ジョイクラフトのボートにはリリースバルブは必要ありません。 ジョイクラフトのボートは、どんな環境でも最高のパフォーマンスを発揮できるよう、徹底的にこだわり抜いた設計です。 安心と品質を重視される方は、ぜひジョイクラフトのボートをご検討ください。 |
まとめ
インフレータブルボートの「空気圧」は、安全な航行とボートの性能維持に欠かせない要素です。
適切な空気圧にすることで、安定性や走行性能が高まり、ボートを長持ちさせることにもつながります。
必ずお手持ちのボートの取扱説明書で適正空気圧を確認し、空気圧計を使ってこまめにチェックするように心がけましょう。
正しい空気圧管理で、安全で快適な水上レジャーを楽しんでくださいね。